塾長

おとうさん

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塾長の大久保です

 

 

 

城崎温泉 西村屋 招月庭

 

 

 

以前

父が癌になる前に

2人旅をした宿です

 

 

↓ これは僕です

 

↓ これが父

 

 

ステージ4の癌から

奇跡的に回復した父

 

 

 

完治は無いのが癌ですから

回復、と言わせてください

 

 

 

 

65歳の父は

昔、阪大生の頃に塾を作り

40数年間、

塾を守り続け

もう何千人もの生徒を

教えてきました

 

 

 

 

いまだに、

これまでの生徒たちに

「塾長」と呼ばれ

愛されています

 

 

 

ちなみに

その父の

教え子の娘さんが

娘さんが自信塾に来て

教師を目指して頑張っています

 

 

 

 

そんな父親

 

 

つい先日

父とワインを飲みながら

イタリアンを食べているとき

の話です

 

 

 

急に真面目な顔をして

「しん、

お前に謝らなければ

いけないことがある」

 

 

そう言いだした父

 

 

 

 

 

「ごめんな、しん

俺はお前に

父親として

十分なことをしてこなかった

この歳になってわかった

本当にごめんな

よく折れずにここまで

生きてくれた」

 

 

 

 

 

父は

僕に謝ったのです

 

 

 

 

 

確かに、厳しかった父

 

 

 

 

 

 

でもね、お父さん

僕は思うんだ

 

 

 

 

 

けして

お父さんが

悪いのではないと

 

 

 

 

僕は知っています

 

 

 

 

お父さんも

おじいちゃんに

父親らしいことを

してもらえなかったこと

 

 

 

 

 

 

だから

お父さんは

「父親」とは何かを

知らなかった

 

 

 

 

 

だから

息子として

僕は思う

 

 

 

 

 

あなたは

何も悪くない

 

 

 

 

そして

 

 

 

 

もうひとつ

僕は

あなたには言っていないけど

知ってることがあります

 

 

 

 

昔、

あなたは

小学生の僕に

僕にグローブを買ってくれましたね

 

 

 

 

 

あのとき

知らないふりをしていましたが

家は貧しかったですね

 

 

 

 

それでも

あなたは

お金のことなど何一つ

文句も言わず

笑顔で

僕にグローブを買ってくれましたね

 

 

 

 

その店で

一番安いグローブ

それでも

僕はたまらなく嬉しかった

 

 

 

家計の不安と

買ってもらえた嬉しさの中で

小学生の僕は

ピカピカのグローブを抱えて

あなたと2人で店を出ましたね

 

 

 

今でも覚えています

「よかったな、しん」

「うん、ありがとう」

その言葉を

 

 

 

 

そのグローブで

あなたと

沢之町公園で

キャッチボールをしましたね

 

 

 

 

 

家に

余裕があったわけじゃないのに

僕にグローブを買ってくれた

あなたと

今は亡き母

僕は

親としてのその優しさを

知っています

 

 

 

 

だから

あなたが

僕に

謝ることは何もないです

 

 

 

十分

父親として

僕を育ててくれたと

思います

 

 

 

 

僕は

いつまでたっても

あなたの自慢の息子には

なれませんが

 

 

 

 

 

 

時々は

ワインでも飲みながら

男同士で

話をしましょう

 

 

 

せっかく

神様が

命を伸ばしてくださったのだから

 

 

 

ね、お父さん。

 

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