こんにちは、塾長の大久保です
受験生へ
自由詩を贈ります
自由詩の最後に
もう一度お会いしましょう
自由詩
幼いころの写真を見つけました
父に抱かれる僕と
僕を抱いて遠くを見る父
大きくなったら
電車の運転手になると
言っては
「僕の電車に乗りたい?」と
何度も何度も
父や母に聞いていたそうです
幼子の僕
君にぜひ聞きたいことがある
僕は
君がなりたかった電車の運転手には
ならなかったけど
今の僕を見て
君はなんて言うだろうか
君がなりたかったのは
今の僕かな
それとも
思えば
いつも先頭で
テープを切って
歓声を浴びるような人生ではなかった
いつも
みんなに遅れて
みんなと何一つ
同じようにはできなかったね
「どうしてできないのかな?」
そんな言葉を大人たちに投げられて
たいそう
ひねくれてしまったね
どちらかというと
全てにおいて
すべりこみの時の方が
多かったね
同い年のみんなが
笑顔で日なたを歩いているときに
君は
ひとりで
日陰をひっそり歩いてたときも
あったね
写真の中の君に
この先
そんな道を歩かせてしまうと思うと
僕は
本当に申し訳ない気持ちになる
母親が亡くなったあの日
君は、ひとりで
駅のホームで泣いていたね
妹達にこの姿を見せるまいと
何度も
いろんなことを
もうやめようかと
考えたね
俺ばかり
なんでこんな思いをするんだと
心が折れかけたときも
何度もあったね
諦めようとしたんだ
もう自分には無理だと
こんなことしてても
うまくいくかわからない
いいことなんかないと言って
何度も
夢を捨てかけていたね
でも君は
諦めなかった
何度失敗しても
立ち上がろうとした
君の人生の
最大の幸福は
多くの人の優しさや思いやりに
助けられてきたこと
本当に多くの人の
深い優しさや思いやりが無かったら
君はもう
歩みをやめていたかもしれない
少なくとも
君は僕にはならなかった
そして
君は気が付くんだ
次は僕が
人の力になりたい
数学の力を使って
多くの人の夢を叶えたいと
その道中
僕は君に
いろいろ悲しい思いを
させてしまう
僕が多くの失敗をして
君には多くの苦労をかけてしまう
僕の勝手なわがままだけど
それでも
けして諦めないでほしい
君が進みたいと思った道を
突き進んでほしい
多くの人とは言わない
でも
それでも君は
命を救う瞬間
夢を叶える瞬間に
立ち会うことになれる
何度も
夢を諦めかけた君が
人の夢が叶う瞬間に
立ち会える人に
なるんだ
そんな
ありがたい経験をさせてもらえる
人間になれる
写真の中の
幼子の君
長い道のりになるけど
どうか
諦めないでほしい
目の前に現れる試練に
けして目を背けずに
ひとつずつ乗り越えて欲しい
人が君から去っても
人に裏切られても
人に後ろ指をさされても
人が君に勝手なことを言っても
周りの人間が偉く思えても
まだまだ道の途中だから
泣きながらでもいい
君がすべきことを
ひとつずつ
こなしてほしい
「うちの子供を
助けてくれて本当にありがとう」
そんなありがたいお言葉を
君はいつか
聞かせてもらえる人になるから
受験生のみなさん
耳をすませてください
いつかの未来のあなたは
今のあなたに
何と話しかけていますか
あなたは
僕のような
泥道を歩くとは思いません
でも
今のあなたの全てのことを
いつかの未来のあなたは
一番わかってくれていると思います
今のあなたの苦しさは
今のあなたの苦悩は
いつかの未来のあなたの
何にも変えられない自信に
なっているはず
38歳の僕が言うのだから
間違いない
結果なんて
最後まで
誰にもわかりません
どうか
そのときまで
諦めないでください
もう一度あなたに聞きます
いつかの未来のあなたは
今のあなたに
何と話しかけていますか
きっと
いつかの未来のあなたは
今のあなたに
こう言っているはず
「ありがとう」
もう少し頑張ろうな