塾長

本当に嬉しい!

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塾長の大久保です

 

 

 

 

本当に嬉しい!

 

 

 

第1回の河合塾の記述模試で

数学の偏差値が60の

男の子がいます

 

 

男の子って言っても

もう20歳の青年です

 

 

 

「偏差値60?

そんなのちょっとすごいぐらいやん」

って今、思いました?

 

 

 

僕と彼が出会ったのは

今年の2月です

 

 

 

お母さんが

塾にお問い合わせをしてくださって

面談をすることになりました

 

 

 

「塾のHPを見ました

自信塾しかだめだと思います

なんとかしてもらえませんか?」

 

 

 

お母さんがお電話で

自信塾の事務員に

そう口にされたそうで

 

 

 

その時ばかりは

僕の中で心に何かグッと来るものがあって

順番を入れ替えましたが

「すぐ、面談しよう!」

そう、決めました

 

 

 

本人を同席させての面談の前に

お母さんだけ塾に来ていただきました

 

 

 

 

本人のいないところで

お話を聞かせてもらいました

 

 

 

 

「そういうことでしたか・・・」

 

 

 

ここでは

全部は書けません

 

 

 

しかし、

彼の人生を

ここでなんとかしていかねば

ならない

 

 

 

でないと

同じ状況がこの先の彼の人生で

ずっと続いてしまう

 

 

 

 

高校生のときに不登校になり

それ以来

ほとんど家を出ず

毎日自分の部屋で

ゲームをしている生活

 

 

 

 

毎年4月に

塾に通い始めるけど

一か月ほどしか続かずに

塾を辞めて

1年間、毎日ゲームをする日々

 

 

 

 

お母さんは

「本人は

大学には行きたいと言っています

だけど、

全く自分からは

家から出れない生活です

親としては

大学に行けるかどうかは

ずっとずっとその先の問題で

なんとか

“陽を浴びる生活”

外に出る生活をしてほしいのです

社会復帰して欲しいのです

毎日、自分の力で

家を出れるようになってほしい」

 

 

 

 

嘘の涙でなく

本当の涙を流して

僕にそう訴えるお母さん

 

 

 

お母さんの

心の叫びでした

 

 

 

お母さんは

もう、どうしようもなくて

憔悴しきっている

ご様子でした

 

 

 

けして

子育てを

塾に任せようとしているのではなく

お母さんは

本当に成す術がない、

それが

ひしひしと伝わってきました

 

 

 

なんとかしないと・・・

そう思いました

 

 

 

後日、

本人とお母さんと僕で

面談をしました

 

 

 

そこで

本人から直接

話を聞きました

 

 

 

彼は

僕と話はするけど

けして

目は合わせません

 

 

 

でも

それは

僕に対して

敵対心や嫌悪感を

感じてのことでなく

その場で

どういう態度をとればいいのか

わからないから

目を合わせられない

そんな感じでした

 

 

 

でも

僕の軽い冗談に

一瞬、笑みをこぼす彼

 

 

 

彼なりの

考えを聞きました

小さな声で

でも必死に

僕に思いを伝える彼

 

 

 

 

「あ、この子は

人生をなんとかしたいと

本気で思っている。

でも、どうすればいいのかわからずに

苦しんでいるんだな」

 

 

 

 

それが、

彼に対して僕が思った感情でした

 

 

 

なんとか

してあげないといけない

 

 

 

入塾が決まり、

彼との勉強が始まりました

 

 

 

数学、化学、物理、英語

合計で

週に12時間の授業です

 

 

 

昼夜逆転していた彼が

朝から塾に来て勉強することは

けして簡単なことではありません

 

 

 

生活のリズムをかえることから

彼は必死に

頑張ったんだと思います

 

 

 

朝起きれない!とか

しんどい!とか

彼は甘えたことは

一言も言いませんでした

 

 

 

 

はじめは

本当に苦しんだんだと思います

 

 

 

そんな中

途中で

お母さんから

こんなラインをいただきました

 

 

 

「はじめて〇〇(彼の名前)が

自分で朝起きて

カーテンを開けました」

と。

 

 

 

昼夜逆転の生活をしていた彼が

自分で起きてカーテンをあける

 

 

 

お母さんは

本当に嬉しかったんです

 

 

 

 

朝、自分で起きて

カーテンを開けていたこと

 

 

 

 

彼の

大きな大きな変化です

 

 

 

毎日、朝から自習に来て

夜の10時まで

黙々と自習室で勉強しています

 

 

 

あまりに

黙々と勉強しているので

僕や事務が

「ちょっと休憩したら?」

と声をかけるぐらいです

 

 

 

数学は僕が教えていますが

前回までの内容は

必ず完璧に習得して

授業に来てくれます

 

 

 

驚くほどの

完成度です

 

 

 

同じ問題を

何度も何度も練習して

授業に来てくれます

 

 

 

分野別に

1から教えるのですが

その分野の学習が終わるたびに

理解度確認試験をします

 

 

 

テキストの問題は

完璧に解けます

 

 

 

さらには

その試験には

テキストの内容だけで解ける

大学入試問題も

入れているのですが

 

 

 

センター試験の

平易な問題であれば

時間はかかりますが

彼はもう解けます

 

 

 

1年間ずーっと

ゲームをしていた彼がです

 

 

 

まるで

乾いたスポンジが

水を吸うように

彼は

教えた全てのことを

自分のモノにしていきます

 

 

 

 

そんな彼が

塾に入って初めて

模擬試験を受けました

 

 

 

高1以来の模擬試験です

 

 

 

河合塾全統記述模試

 

 

 

今回は、コロナの関係で

自宅受験でしたので

塾で解かせましたが

相当、緊張していましたね

 

 

 

そりゃ、そうですよね

 

 

 

結果、

数学の偏差値が60でした

数学Ⅲがはいっていない型でしたが

それでも

たいしたものです

 

 

 

英語、理科はまだまだ

全範囲が終わっていませんので

偏差値で言うと

40そこそこですが

理科も英語も

勉強はどんどん進んでいます

 

 

 

数学が偏差値60ってことを

彼に伝えると

微笑んで喜んでいました

 

 

 

その微笑みの向こう側には

彼なりの

葛藤や苦しみがあるのだと思うと

感慨深い気持ちになりました

 

 

「60」という数字では表せない

彼のいろんなものが

お母さんのいろんなものが

そこには

込められている

僕はそう思いました

 

 

 

 

本当にたいしたもんです

 

 

 

 

 

彼は

多くのご親戚と同じように

医者になりたいそうです

医学部を目指す、と決めました

 

 

 

はじめの面談でも

「医学部に行きたい」と

言ってましたので

その気持ちは変わりないのです

 

 

 

ただ、

今年の医学部の合格は

厳しいと

本人にも

お母さんにも伝えました

 

 

 

例えば

数学は今年中に

医学部で課されている

試験の全範囲の学習が終わることは

厳しいからです

 

 

 

数学Ⅲの終わりまで

医学部レベルまでいくには

時間的に厳しいのです

 

 

 

 

お母さんは

「私立大学の医学部でもかまいません

とにかく、彼がしたいように

させてあげてください

毎日、自分で起きて

塾に行けるようになっただけでも

私は本当に嬉しいです」

と、おっしゃっています

 

 

 

彼に一番必要なものは

学力もそうですが

「自己肯定感」です

 

 

 

彼がこの先の人生で

胸を張って生きていけるように

自己肯定感を

育ててあげることです

 

 

 

そのために

今、必死に僕たちが

お力添えをさせてもらって

彼が

全力で勉強をすること

そして結果をだすこと

これが

大事だと思います

 

 

 

彼はこのままいけば

医学部も見えてくると思います

 

 

 

人生は

選択である

 

 

 

彼は今、

医学部への道を選び

医者になる未来を選択しました

 

 

 

未来は

そうなります

 

 

 

人生に

真正面から向き合って

けして逃げることなく

必死に戦っている彼を

僕は全力で応援していきたいと

思います

 

 

 

 

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