塾長の大久保です
モノも人も
“出会えるか”が大きいと
思っています
一生の時間は
限られています
そのなかで
自分の感覚が
「これだ!」と思えるものと
出会えるかどうかは
確率的には奇跡に近いとさえ思います
だからこそ
ぜひみなさんに聞きたいのです
みなさんは
物を選んでいるときに
何か理由もなく
「ピン!」ときたこと
ありませんか?
先日、
クラッチバックを求めて
エルメスのコレクターの友人のところへ
参りました
ものすごい量が
飾られています
その友人は
僕が見に行っても
何も言いません
どれがお似合いとか
どれがおすすめとか
全く言いません
なぜなら
そんなことを言わなくとも
その人が選んだのなら
それが正解であることを
知っているからです
僕は
ある1つのクラッチバックに
目が止まりました
好きな色
好きな素材だったから
それも理由です
でも
目が止まって気になったのは
何か他に理由がある気がしたのです
それぐらい
気になって仕方がありませんでした
数百ある中で
その鞄だけが
気になってしょうがない
「これは、きっと
この鞄と俺は何かあるな」
そう直観で思いました
手に取った瞬間
本当に震えを覚えました
これは買うしかない、と。
そして
そこから話を聞くにつれて
その意味が解りました
きれいな
傷ひとつないこの鞄
なんと
僕が生まれた年に製造された
鞄だったのです
エルメスは
刻印から製造年が
わかるようになっています
使ったあともなく
修理のあともなく
傷も一つもなく
この鞄は
誰に使われることなく
41年間
ずっとずっと
大事にされながら
ここにいたのです
ここにいた、
というよりも
ここで待っててくれた、
そんな気持ちにさえなりました
僕が生まれた年に
当時の職人によって
手作りでこの鞄も作られました
そして僕が
エルメスの鞄を買えるような大人になるまで
ここで僕が来るのを
待っててくれた
そんな気さえしました
「待たせたね、ごめんね時間かかって」
もう
そのかばんは
もはや他人ではありません
もう、相棒のようなものです
せっかく出会えたのだから
同い年同士
残りの人生を
一緒に大切に
過ごそうと思います