塾長

昔の生徒から電話がありました。

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塾長の大久保です

 

 

 

「先生、今お電話いいですか?」

 

 

 

そのLINEを読んで

少し心に感じるものがあり

すぐに電話をすることにしました

 

 

 

 

電話の相手は、昔の生徒です

今は関東の高校で

数学の教師をしているやつです

 

 

 

 

詳しくは

ここには書けないのですが

今、彼は病気です

それもかなり深刻なものです

 

 

相当、心がしんどい様子でした

いろいろ話を聞いている間に

彼が、

 

「もし最後が来たら

そのときは先生には

必ず手紙を書きます」と

口にしました

 

 

 

 

僕は、そのとき

不謹慎ながら

彼が最後を迎えたときに

彼に会いに行っているシーンを

想像してしまいました

 

 

 

 

僕は電話をしながら

もう涙が止まらなくなって

しまいました

 

 

 

「何を言ってんねん!

俺はお前の最後の顔を見て

何を言えばいいのかわからへんわ!

絶対あかんでそれは」

 

 

 

もう、

どう言葉にすればいいのか

わかりませんが

男二人で

電話で号泣してしまいました

 

 

 

 

彼に言いました

 

 

 

「それに、

子供はどうするの

お前しか父親はいないのに。

子供に俺はどういえばいいのか

わからんよ本当に。

それにこれまで、

お前は教師になる夢を叶えて

必死になって生きて

こんなに大きなものを

積み上げてきたのにもったいないやろ!」

 

 

声を荒げてしまいましたが

もう、音量を調節する余裕も

僕にはありませんでした

 

 

 

電話の最後に

彼に言いました

 

 

 

お前に何があっても

お前がどうなろうと

俺はお前の見方だからな

何があっても

お前のことを見放したりしないから

だから

何かあったら今日みたいに

必ず連絡してこいな

 

 

言ってる僕も大泣きでしたが

電話の向こうで

子供のように大泣きしている彼

 

 

彼はきっと

八方ふさがりの今の状況と

先が見えない不安

そして、背負ったものの重さ

これらの大きな波に

のまれてしまっていたのだと思います

 

 

 

電話の最後には

前向きになってくれた彼

 

 

 

本当によかった

本当によかった

 

 

 

 

人は誰でも

弱くなる時があります

 

 

そうなったときに

「今、電話してもいいですか?」と

言えることが大切だと

思うのです

 

 

助けを求める連絡に

迷惑だと思う人なんて

いません

 

 

 

彼が、

今日、感極まったときにでも

「大久保に電話しよう。」と

思ってくれたことが

僕は嬉しい

 

 

 

いつでも

どんなときでも

僕に頼って欲しい、

そう心から思います

 

 

 

 

こう書くと

僕が彼を助けたような

美談になってしまいますが

 

 

 

ぼくだって彼に

何度も助けられています

 

 

 

 

2年前、

僕はコロナのデルタ株に感染し

中等症2で肺炎になっていました

 

実は、緊急で入院するのですが

その直前、

急に呼吸が出来なくなり

一度意識を失ったことがありました

 

 

どういうわけか

意識を取り戻した僕は

「次、いつ意識を

失ってしまうかわからない」

と思い、涙を流しながら彼に

LINEをしました

 

「息子理一朗は

父親を知らずに大きくなっていく。

俺の最後のわがままを聞いてほしい。

1年に1度でもいいから

息子に会ってやって欲しい。

俺がどんな人間で

どれだけ理一朗を愛していたのか

話をしてやって欲しい。」

 

 

こんな内容で彼に

LINEしたと思います

 

 

彼から

励ましの電話をもらい

僕はありがたくて

泣いていました

 

 

 

僕が言いたいのは

僕が彼を救っただけでなく

僕だって

彼に何度も何度も何度も何度も

救われているのです

 

 

 

そしてもっと言えば

大昔、彼が僕の授業を受けたい、と

思ってくれて

300人も入る教室の席に座ってくれた

あのときから

僕はもう彼に救われてる、

そう思うのです

 

 

 

彼は  “運が悪かった”  と

表現していましたが

運は自分で引き寄せるものだから

彼は、十分“運”に恵まれてもいい、と思います

 

 

 

彼の人生に

良い風が吹きますように

 

 

僕の大切な生徒で

僕の大切な親友だから

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