塾長の大久保です
毎年ではないけど
これまで
広島には
よく行ってきました
広島の原爆ドームの前で
手を合わすためです
本当は
理一朗が生まれたら
毎年一緒に
８月６日には広島に
８月９日には長崎に
一緒に行きたかったんです
でも
コロナでそれは
叶いませんでした
しょうがない
僕らは
神様が与えてくれた
命のバトンをつなぐ
リレーの走者だから
僕らが犯した最大の間違いを
語り継がないといけない
と思うのです
理一朗が
どんな人間になるのか
わからないけど
理一朗が
「昔そんなことがあったんだね」
じゃなくて
「同じことを繰り返してはいけない」
そう言える大人に
なって欲しいのです
でないと
人間はまた
同じことを繰り返す・・・
来年こそ
一緒に行ければと
思います
さて
「この世界の片隅に」という映画
みなさん、ご存知でしょうか
２時間ぐらいの映画なのですが
最後の１０分ぐらい
ある少女のストーリーが
描かれています
原爆投下直後
右腕を無くした母親に
連れられて歩く少女
母親は
岩に座ったそのまま
力尽きます
少女はそれに気が付かず
幸せそうに
母親にしがみついています
母親の体にはハエがたかり
耳からはウジ虫が溢れました
母親の体は
崩れ落ちます
少女は
母親が死んだことを
知ります
それから少女は
まだ幼いにもかかわらず
一人で生きます
ある夜
食べるものもない夜に
道に転がるおにぎりを
見つけました
少女は
食べようとします
しかし
そのおにぎりを
差し出しました
そのおにぎりを落としたのが
近くにいた
片腕のない女性だと気が付いたのです
少女は
その女性を
お母さんだと思ったのです
「たべてええよんよ？」
女性は少女にそういうと
少女は
おにぎりを食べました
そして
少女は我慢できずに
女性にしがみつきました
少女は
お母さんを求めていたのです
すみません
僕の拙い表現力では
これが限界です
僕は
今もう一度
「この世界の片隅に」を
見たのですが
「もし理一朗が」と
自然に何度も思っては
涙があふれてきます
爆弾が落ちてきて
理一朗が
炎に包まれる
理一朗が
少女のように
生き残って
食べるものもなく
一人でボロボロの布にくるまって
毎日をさ迷い歩く
理一朗が
「お母さん、お父さん」と
泣きながら探し回る
映画を見ながら
僕は心から思いました
僕自身は
どんな苦しい思いをしてもいい
僕自身が
全ての痛みや苦しみの身代わりになるから
理一朗だけはどうか・・・・
心からそう思いました
今日、８月６日に
広島に原爆が投下されました
多くの人が苦しみ
多くの子供が親を亡くし
寂しく苦しく
暗い日々を過ごすことになった日です
同じことを繰り返してはいけない
どんな理由であれ
たとえ正義の戦争のためであっても
死んでいい人間なんて
この世にはいない
僕は
心からそう思うから
理一朗にも
そう伝え続けようと思います
来年こそ、理一朗と
広島の
その場所でその時間に
手を合わせに行こうと思います
理一朗が
爆弾で焼き尽くされるなんて
僕は耐えられない
どうか僕に全ての苦しみを
どうか僕に全ての痛みを
もう一度言わせてください
どんな理由であれ
戦争は肯定できない
二度と繰り返してはいけない
６日になった時間のすぐ
理一朗が
はじめて寝返りをしました
彼がこの先
平和に生きていけること
心から祈っています
