神戸大学経済学部合格 RKさん

敵が己にありすぎる、そういうちょっとしたドラマでした、私の受験は。


私の受験は下克上とかそういったドラマがないです。なぜなら大久保先生に中1の終わりから数学を教えてもらっていたので成績については順風満帆。ですが受験は楽どころか苦しいものでした。経済学部志望なのになんの冗談か私は受験数学が大大大嫌いなのです。おまけにメンタルが弱くて本番ですらない模試を過呼吸で欠席したり、模試に行っても試験中に過呼吸を起こしかけてシャーペンを握ることもままならなくなったり、とにかく大変でした。最後のトドメは突発性難聴。しかも発病したのが高3の11月。敵が己にありすぎる、そういうちょっとしたドラマでした、私の受験は。
 
 とりあえず数学は私の受験を語るうえで外せません。この戦いは中学受験の時から始まっていました。算数解けない、嫌い。「数学と算数は違うので状況は変わるかもしれない」と親は言いましたが、算数への恨みと嫌悪感はレベルアップして数学へと向くことになりました。それを見た親は私を大久保先生のところへ連れて行きました。私が落ちこぼれてしまわないように。当時兄が大久保先生に数学を習っていて、兄は数学強者でした。兄は大久保先生のことを「教える天才」だと評していて実際そうでした。私も数学が出来るようになり気付けば学年順位一桁。そこまで数学ができると学校とかで数学好きと思われ誤解されてしまい、よく居る謙遜をしている人の如くそれを否定していました。嫌いなのに一番の得意科目。数学とは私にとってそういう存在でした。

 ぎゃあぎゃあと屁理屈を並べどうにかして勉強から逃れようとするクソガキの私に災難が降りかかります。左耳がきこえないのです。きこえにくいのではなく、本当にきこえないのです。とにかく焦りました。一生このままだったらどうしようということしか考えていませんでした。幸運にもすぐ聴力が回復しましたが、病院でしばらく休むように言われて学校は1週間以上休みその間は勉強もほとんどしませんでした。無理はしてはいけないということで授業数も減らしました。すさまじく歪んだ形で勉強量が減るということが実現しました。最悪です。休んだ直後にオープン模試がありました。勉強をしばらく休んでいてもB判定を取り、積み重ねてきたた確かな実力を実感しました。これは私からのおすすめですが皆さんはいつでも8時間睡眠を心がけるといいと思います。健康を損ねては受験どころではありません。健康第一。

 そして先に述べた通り私の受験においての一番の障壁はメンタルでした。私が無事受験を終えられるか、それが私も先生も一番心配していたことです。それが、本番はほぼ緊張しませんでした。古文と漢文を山のように演習して安定して実力を発揮できるようになったから、というのが一つ理由だと思います。そしてもう一つは、私が受験勉強を恨んで嫌ってそして恨んでいたからです。最初は受験が近づくにつれて「本番来るな」と弱々メンタルを発動していたのですが、共通テストの2日ぐらい前から「受験がもうすぐ終わる」と喜びはじめました。受験が終わる喜びがメンタルの弱さを制したのです。自分でもびっくりでした。流石に嫌いすぎだろうと。 そして迎えた共通テスト。落ち着いていたのでとても集中できました。集中しすぎて体力の限界が来て吐きそうになる程でした。どんなに調子がよくても世界史とか倫理政経などは勉強していなくては点数の取れないものですが、その科目達もバッチリ取れました。しっかり教えてもらっていて本当によかったです。

 自己採点をしてみると想定外の出来栄えでした。「私ってすごいなぁ…」と自分で思ってました。河合塾の神戸大学のリサーチはA判定。「やっぱり私ってすごいなぁ…」と思いながら神戸大学に出願しました。

 二次試験は流石に少し緊張しました。睡眠がとても浅く、会場近くの駅に来ても頭が寝ている感じでしたが神戸大学に至る登山で目が覚めました。そして試験が始まり、「いつも通り解けたので合格できました」という台本通りのはずだったのに事件が起こりました。数学が、解けない。神戸大学の数学はきっちり対策済み、のはずが。この「歯が立たない数学」のさえも私の数学は役立ちました。「ああこれは例年の傾向と難度とは大きく異なっている。私の数学が通じないのに他の受験生が解けているはずがない」そう確信した私は、まだ手に負えそうなところや部分点が取れそうなところを見つけ出してそこを集中的に解きました。この冷静な判断は自分の数学に対する信頼によるものだと思います。とはいえ、数学選抜に全てをかけている人なら解けているかもしれない、そのような判断もしていました。そんなこともあろうかと数学以外も実は数学ぐらいできるようにしていたので、狙いを数学選抜から総合選抜に切り替えて国語は特に気合を入れてやりました。私の答案はいつも何を指摘されていたか?それを強く意識して答案を見直しました。1回目に答案を書いた時は「要素を書く」ことに集中していたので悪い癖はやはり出ていました。元から複数のことを意識しようなどとは思っていなかったので「戦略通り」というものです。

 試験が終わりめでたく私は合格しました。実力があると緊張しないという言葉は嘘じゃないのかもな、というのが感想です。大学は一つの通過点なのでこれからも程々に頑張っていきたいと思います。大久保先生、阿部先生、スタッフの皆さんありがとうございました。

保護者様の寄稿